インプラントって何?料金の相場は?

インプラントの進化

インプラントの歴史は実はかなり古いのですが、ターニングポイントとなったのは1982年です。それはトロント会議での予後15年の症例が報告されたことで、これがセンセーショナルを巻き起こし、それから北米を中心に普及が進んでいきました。

 

インプラントの形態は、大きくブレードタイプ(板状のもの)とルートフォーム(歯根様のタイプ)があります。ルートフォームの初期型はシリンダータイプと呼ばれる滑らかな表面でしたが、ネジ状の形態の方が初期固定の際に有利なので、現在はネジ山(スレッド)がつくタイプに変っています。

 

最近では表面もブラストや強酸により処理することでラフサーフェス(微小粗雑構造)の表面性状の良いものになっています。また、表面をフッ素コーティングすることで骨伝導と石灰化を惹起して治癒期間が早まるように考えられています。まだ日本では認可されていないのですが、そのうちこうしたフッ素コーティングタイプのインプラントが出てくるでしょう。こうしてインプラントの改良は日々進んでいます。

 

次は治療成績についてですが、現在のデンタルインプラントの10年生存率は約90%以上となっています。ただしシステムや、患者の年齢などによってばらつきはあります。インプラント治療施設に来る患者の平均年齢は実は結構若いのですが、ボリュームゾーンはやはり歯周病などの影響が出てくる40代~50代となっています。

 

更なる高齢者については全身疾患などの影響もあるのでこれまでの症例数が少ないのが実態です。しかし、いよいよ高齢化の社会情勢でもあり、患者数そのものは増加傾向のようです。高齢者のインプラント治療成績も若者に対してそれほど劣りませんが、全身合併症、手術時合併症に留意しなければならないのは確かです。